人口を「正しく」減らす方法ってある?
※2019年6月に発生した「元農水事務次官長男殺害事件」に言及しています。
※強い暴力的な言葉・表現を用いています。
まとめ
・社会は人の数を増やす一方で、その管理能力は向上させられない。➡1.マルサスおじさん
・昔は産婆が、今は親たちが、社会的に迷惑を掛けそうな子供の「世話」をしている。➡2.産婆と父親、
・「正しく」人口を「減らす」システムはもう存在しない。➡3.「優秀な」命、4.人口を「正しく」減らす方法。
・「正しく」人口を「増やす」システムの構築を急ぐべきだ。➡5.人口を「正しく」増やす方法、6.マルサスとチョコレートボンボン
1.マルサスおじさん
マルサスという人を知ってるだろうか?
この人は、イギリスの古い思想家で、『人口論』という本を書いた。
以下、『人口論』について超簡単に説明。
1.人の数(人口)は倍々に増えるのに、農地(食糧生産)は足し算でしか増えない。
2.なので、必ずどこかで食料が足らなくなる。
3.よって、必ず人口を減らすための戦いや飢餓、疫病が発生する。
以上。すんごい議論だ。
というのも、この方、実は超絶アンチソシオロジスト(反社会主義者)だったらしく、『人口論』の後半でものすごい社会主義をディスるらしい。(私は書籍の前半部分を読みました☆)
で、だ。
何が言いたいのかというと、去年の暮れに発生した元農水事務次官が自分の長男を殺害した事件。これがどうにも、「人口論」的に思えてショウガナイ。
「育てるのに」「自立するのに」「結婚するのに」➡失敗したから、自分の子供を殺します。
現にこういう風に考える親は意外と少なくないのかもしれない。自分の子育ての問題はとりあえず置いといて、「社会に迷惑をかける」前に自分の子供を始末する。。。
実はこれって『人口論』でマルサスが展開している議論と、行きつく先は同じなのだ。
1.昔は「国」というものがあって、そこには「大儀」や「正義」があった。
2.なので、人口が増えすぎたり、農地が足りなくなったら「戦争」を起こして人口を減らせた。
3.でも、20世紀の後半に世界戦争があって、核爆弾なんていう人類一撃死兵器ができて。
4.なので、人口が(表向きには)減らせなくなって。(戦争できなくなって)
5.にもかかわらず、社会のキャパシティ(就職口や結婚相手や教育の質)は増やせなくて。
6.なので、「社会に迷惑をかけそう」になったら、親が自分で自分の子供を殺します。
だいたい5段階くらいで説明可能かと思ったら、4段階目くらいで結論が出てしまう不思議。
その位、安い世界に住んでいる。
2.産婆と父親
産婆って、かなり悲しい職業だったらしい。
今で言うところの、看護師や医師が担当する、出産という業務を一人で担っていた。
産「婆」というくらいだから、その多くが女性だったのだろう。
彼女たちは、生まれてくる赤ん坊に障碍(特に身体・機能)があると、その場で赤ん坊を死産に「させて」いた。
私は、この産婆と元農水事務次官の父親が、同じことをしているように思えてならない。
産婆は、障害を持った赤ん坊が産道から出てきたら、40秒で「人口を減ら」し。
元農水事務次官の父親は、自分の息子が社会に参加することに失敗したら、40年ほど経ってから「人口を減ら」した。
ムラ=社会に迷惑をかける前に。。。。
3.「優秀な」命
『ガタカ』という映画がある。
遺伝子改変が一般的になった近未来で、生まれてくる段階で「優秀な」遺伝子のみを残して生まれてくる「優秀な」人類と、経済的・宗教的・思想的・心情的なあらゆる理由でその「サービス」を受けられず、「劣等な」遺伝子を持って生まれてくる「劣等な」人類の、二種類しかいない世界。
主人公は、宇宙飛行士になるため、「優秀な」遺伝子を持つ人類しか入れない会社へ、自らの遺伝子を偽って入社するが・・・。
映画の結末は、実際に視聴することをお勧めするが、私が言いたいのは次の通りだ。
「だったら、最初から産むな」
以上である。
というのも、育て切れない子供を産むことに問題があるのだ。実際、私たちは毎日のように「子殺し」を行っている。
女性は月経で、男性は特別の理由がない限りオナニーかコンドームで。
命はどこから命だろうか?
受精卵は、ある一定時期を過ぎると殺してはならないことになっている。
ある程度、人の形になってしまったら、殺人になるのだそうだ。
では、最初から生まれてこなかったら?
4.人口を「正しく」減らす方法。
「産まない」ことである。
少なくとも、育て切れないならば。
社会に迷惑をかけるならば、産まない方がいい・・・そう思う人も実は居るのではないか?
そうでなければ、この国の自殺率は、ここまで増えないはずだ。
他人に迷惑をかけても生き残ろうとすることを、ヨシとする社会ならば、自殺は増えないはずだ。
あるいは、他殺が増えるかだが・・・。
いずれにしても、この社会は元農水事務次官の父親側に付いている。
「「「「子ども(命)が社会(ムラ)に迷惑を掛けそうになったら間引いても良い。」」」」
そう言っている。
なので、私もこう言いたい。
「「「「では、出産を制限すべきだ。」」」」
今の社会の実情に合わせて、「優秀な」人間しか、生まれてこないようにすべきだ。
その子供が、学業とスポーツに秀で、社交的で経済を刺激しやすく、性的にも充実し、心理面でも安定した、まるで化け物のような存在でない限り、産むべきでない。
そうしなければ、戦争と自殺だ。
5.人口を「正しく」増やす方法
では、こうすればどうだろう?人口を正しく「増やす」のだ。
どうすればいいか?
まず、年齢を制限する。ある一定以上に達したら、その後は安楽死を全面的に解禁、社会の隅々まで「安心して死ねる」状況を行き渡らせる。
これを「安楽死サービス」と名付ける。
また、嫡出子、非嫡出子の区別をできるだけ無くす。
現在の「親」に完全に寄り掛かった教育・保育の在り方を見直し、社会全体で次世代を育成する方法をなんとかして産み出す。ちょうど、狼の群れが集団で子育てをするように。
これを「ウルフパック(狼の子育て)サービス」と名付ける。
次に、自由を売却するシステムを作る。
例えば、有給休暇を買い取るシステムと同じように、自分の移動や購買の権利、知る権利を売却できるようにする。ヒキコモリでも、自分の権利を売却すれば、最低限度の福祉や承認を得られるようなシステムを作る。
これを「現代型自由奴隷制度」と名付ける。
これら「終わり・始まり・中途」の三段階に行き渡るシステムを作れば、社会は確実に変わるし、変わらざるを得ない。
そして、人口は「正しく」増えるだろう。
6.マルサスとチョコレートボンボン
マルサスが現代に生きていたら、現代の駄菓子を見てどう思うだろう?
飢え死にした自分の親の肉を食べる子供がいた時代から、ダイエット・コカ・コーラやチョコレートボンボンを見て。
古代の王が、現代のヒキコモリ男性を見てどう思うだろう?
矢で片目を潰され煮えたぎった油を頭からかぶせられ城壁を超える為だけに自分たちの死体で堀を埋めるよう命令された12歳くらいの少年兵がいた時代から、ヒキコモリ化し、自分では何の努力もしない40代の童貞肥満男性を見て。
私達は、未来の「優秀な」子供たちを見て、どう思うだろう?
生きる意味を奪われ、生きているだけで恥ずかしい状態にされ、社会的に孤独化し、何の生きる意味も見いだせない時代から、自分の遺伝子を強制的に改変し、たとえ他者を出し抜いても生き残ろうとし、若くして死ぬことをヨシとする未来の世代を見て。
わたしたちは「正しく」産まれられただろうか?